ー改めて平山さんがこの3年間、オランダで学んだことは何だったのでしょうか?
日本に帰って来て、自然とやりたくなることっていうのがあって、それは「他の誰かと協働する」ということだったんです。オランダ生活の最後の集大成として、イエナプラン教育を学ぶ3ヶ月間の研修に参加したんですけど、僕も含め12人の研修参加者がいて、彼らと毎日朝から晩まで協働しまくったんですよ。最初は協働もプランニングもうまくできなくて、俺たち協働下手だよね〜って言い合うぐらい苦手意識なんかも持ってたんです。それでも、協働を重ねていったら、なんかだんだん楽しくなっていったんですよね。そして、協働が持つ大きなパワーを感じたんです。協働をすれば、お互いの才能が見つけやすいし、自然と適材適所になるし、何より新しいものを楽しく生み出せる。
12人の関係性も協働を通して変わっていって。ある日の夕食後のフリータイムに、リビングが現代のユートピアみたいになってて笑。YouTubeを流してカラオケを歌ってる人、ウクレレでオリジナルソング歌ってる人、スリッパで卓球する人、デジモンの塗り絵する人、講義の振り返りをする人などがひとつの部屋に混在していたんです。あの光景は、僕ほんと好きで。みんなが自由に自分の好きなことをしている…。昼間の「質の高い学び」から夜の「自分らしい遊び」への変化…。あのダイナミズムは、やっぱり協働を重ねてきたからこそ生まれたと思ってます。もちろん、他人と協働していくのは大変なんですけど、その大変さを越えるパワフルさがあるなと。これが僕の協働への実感で、日本に帰った今も、いろんな人と協働しながら、考えを深めたり、新たな視点を得たり、面白いことを生み出していきたいなと思っています。