僕の母親は保育士だったので、子どもがどんな風にそこで扱われているかを自然と見てしまうんですけど、オランダに来たときに「オランダ人たちはすごく子どもを見る」「物理的に見ている時間がすごい長いよこの人たちは」ということを彼女の気づきとして言ってくれて。それは子どもに対する意識とか関心とか、そういうものが「見る」という行動として表れているんだろうなということを感じました。
ー「子どもをしっかり見る」ということの先にどんなことがあるのでしょうか?
見るっていうのは、繋がっていくことのスタートなんですよね。コミュニケーションは挨拶からスタートしますよと言うことってあるんですけど、それは見ることの次だよねと思います。まず見ること。それが全てのコミュニケーションの始まりだし、やっぱり子どもを気にしているというか、存在を認めてるという言い方もできるかもしれません。もっと広げていうと社会全体で子どもを「育てる存在」や「守る存在」として見るだけでなくて、「ひとりの人間」として子どもを見ていきますよと、そういう意味合いとしてもとれるかなと。だから見るということからオランダ人の教育的な姿勢が始まっていると感じています。