20230216 世界で一番美しい音
すっかり目が覚めたのは、6時過ぎだった。
この時間になぜこんなにもスッキリした感覚があるのだろう、と疑問に思い、明け方雨が降っていないということが分かる。
ここ数日、いや、ウブドに来てずっとと言ってもいいかもしれない、夜中か明け方には強い雨が降っていた。叩きつけるような雨音の中で浅い意識を彷徨う。そんな夜を過ごしていた。
今日は新たな滞在先に移動する。
ここは緑に囲まれ、静かで、とても気に入っているが、ここを去る寂しさのようなものは湧いてこない。これまで何度も、数えきれないほど、滞在先には別れを告げてきた。今のわたしにとって身を置く場所は移り変わるものだ。
先日、クリスタルボウルのイベントに参加した。クリスタルボウルの音も美しかったが、何より美しいのは人の声だった。
呼吸とともに吐き出され、重なり合い、立ち上る声。
楽器とともに、やさしく奏でられる声。
声にはいのちが宿り、愛が宿る。
人間は愚かだけど、こんなに美しい音を出すことができる。
そこに、祝福と赦しがあるように思った。
誰かを愛おしいと思うこと。
誰かを大切に思うこと。
声と言葉を交わすこと。
人間が、自分たちがどんな存在なのかを思い出すことができたら、地球の未来は変わっていくのではないかと、そんなことを思う。