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009. 今日と明日のあいだ新たな旅に出る友へ -

訪ねてきてくれる人とともに過ごすための少しの時間の余裕と少しの心の余裕と少しのスペースの余裕があればそれでいい
今この瞬間に言葉になるものと言葉にならないものに耳を傾けそこにある沈黙を一緒に味わう
そんな時間を過ごせること以上に嬉しいことはない
3年間のオランダでの生活を終え、オランダを去ろうとする友人とどれだけ時間が経ったかも分からないくらい話を続けそれでもまだなお、話が尽きないということを感じながらそんなことを思った。
そこにあった言葉のやりとりはただ優しく心地いいものではなく悲観的でも被害者的でもなく
静かな想いの光を向ける先に自分には何ができるのかということを問い続けるような
その場で言葉と言葉の根っこがぐんぐんと手を広げていくような
創造活動とも言える協働作業とも言える
そんな時間だった。
人と交わす言葉は日記のように、紙や画面の上に留まることはない。しかし心の中に落ちた一滴のインクは血液に乗って、見えない流れに乗って身体中をめぐり日々の行いの中に染み込んでいくだろう。
心を交わす時間を過ごしたということをどうやって表現できるだろう。
それはきっと、言葉を連ねることではない。
自分が変わっていくこと。美しい夕日を見て、感動して、自分が変わっていくように
「その瞬間、確かにそこに一緒にいたのだ」ということはそのあとに、自分自身が為すことによって、伝えていくことができるのだと思う。
彼がオランダで過ごした時間これまで過ごしてきた時間そしてこれから過ごしていく時間
その全てが、「いまここにある」と感じた。
2019.12.8 Sun 17:32 Den Haag