20230217 あたらしい朝
随分と早くに眠くなり、随分と早くに目が覚めた。
時計はあえて見ないようにしていたのであれが何時ごろだったのか分からないけれど、まだ夜明けの気配もやってきていない暗闇の中で不思議な鳥の声を聞いた。
それが本当に鳥なのかも分からない。それがどんな声だったかももう忘れてしまった。
でも、輪郭のハッキリしたあの音は、きっと鳥の声だったのではないかと思う。
昨日、新しい滞在先に移動してきた。
これまで滞在していたのは村の中心部に近く、大通りに出るとビッシリとカフェや洋服屋さんが並んでいたが、ここはそうではない。カフェはちらほらとあるが、物販のお店は少なく、通りは車も観光客も少なく、とても静かだ。
近くでは新しい建物を建てる工事も行われているがそれでも騒音は少ない。何せ手作業で工事をしているのだ。ノコギリのようなもので木を切る音も、金槌のようなもので何かを叩く音も、機械の音に比べると可愛らしいものだ。
人間が、動物として生きる速さで何かをしているうちは、自然と調和することができるのだろう。必要以上に使うこともないし、必要以上に奪うこともない。
「貨幣」を、自然の循環よりも速いスピードで生み出すことができるようになったことから、そのバランスは狂い出したのだろう。
新しい滞在先はこれまでの滞在先の二倍くらいの広さがあり、プライベートなポーチもある。とても快適だが、昨日到着したときからインターネットの調子が悪く、備え付けのWi-Fiを使うことができない。購入しているSIMカードの回線を使えるから特に大きな問題はないが、念の為データ通信をあまりしないようにしようと思って夜にKindleで本を読んでいたらあっという間に眠くなってしまった。
煌々と部屋を照らす蛍光灯や、際限なく続く動画がなければからだは自然のリズムに沿っていくようだ。早く寝た分、夜中に目が覚めたけれど、暗闇の中に耳を澄ましボーッとしていたら、夜中に目覚めることが何でもないことに思えた。
ウブドの滞在も残り2週間を切った。気づけば毎日の予定も割と入っている。きっとあっという間に時間が過ぎていくだろう。
非日常が日常になり、日常がまた非日常になる。そんなことを繰り返している。2023.2.17 7:15 Ubud