938. 再びロックダウンが始まったオランダで

 

ようやく外が薄明るくなってきた。鳥の声が聞こえる。表の通りの車の音が少なく聞こえるのは、オランダがロックダウンに入ったからだろう。特別な事情がある場合を除いて学校や保育所も利用しないことになっているのでおそらく道を行き交う自転車も随分と少ないはずだ。

3月中旬まで旅行の計画もできるだけしないようにとお達しが出された今、日本に行くのがまた随分先になるかもしれないという残念な気持ちと、腰を据えてオランダに居続けようという気持ち、どちらもが生まれている。

そんな中、昨日は久しぶりにオーナーのヤンさんが訪ねてきた。書斎の天井部分にある物置から何かを取り出すという。「ウ!」という声を上げながら荷物を動かしているので、何かと思ったらヤンさんがベルトのようなものを引っ張り出してきた。「持ってみて」というので持ち上げてみると、とても重い。何かと聞くと、ダイビングに使う重りだと言う。ヤンさんが「ダイビングに使っていた」と過去形で言いなおすので「ダイビングに行くのか」と聞くと「そうだ」と言う。

オランダはもうすっかり寒い。それでもどこかでダイビングをすることができるのだろうか。それともあたたかいアジアの国にでも行くのだろうか。

てっきりロックダウンが始まってよほどでないと出かけられないと思っていたが、少なくともヤンさんにとってはそうではないらしい。私が知る限り、すでに仕事を辞めているヤンさんは年に3,4回は「バカンス」に行く。体が元気なうちはきっとそれを続けるのだろうし、そうしていたら体も心も元気でいられるのだろう。

ここから世界はどんな風に変わっていくのか。その中でオランダや日本の人たちはどう生きていくのか。自分自身の心の望みに耳を傾けながら、世界に生まれる音を聞き続けたい。2020.12.16 Wed 8:52 Den Haag