932. チームのこと、日本への旅のこと

アロマディフューザーのスイッチを入れると、ブーンという音とともに、心地よい香りがやってきた。確かこれはRoseの香りだったはずだ。

今朝は比較的早い時間から打ち合わせに参加をした。チームとして新しいステージに進むときだということを感じているが、それとは逆の方向に働く力学があるようにも感じる。それはおそらく、チームとの関わり方の認識もしくは欲求の違いから生まれているだろう。

数年前の私であれば、チームに、「仲間感」や「自己成長」の機会のようなものを求めていたかもしれない。一方で今は、自分の専門領域において力を発揮し、貢献したいという想いがある。一人ではできないことをチームで実現する。そこにあるのは使命のようなものであって、「このチームで行う仕事で食べていこう」という意識は毛頭ない。もちろんビジネスとして上手くいくに越したことはないが、それは社会に対して何か役立つことをした結果であって、「ビジネスとして成り立たせるためにやる」ということは私の中では本末転倒のように感じるのだ。

人との関わり方や関わりの中での自分の役割は明らかに変化していて、「ああ、もう以前のようには戻れないんだなあ」という寂しさは多少あるけれど、経験や物事を積み重ねていくというのはこういうことなのかとも思う。もっと柔軟に自分の役割を変化させ続けるという形もあるだろうけれど、こうしてオランダで暮らすことを選んでいることで生まれる価値を届けていくためには、手を広げるタイミングではないのだということは明確に感じている。

あと10年くらい、専門領域を深めたらその先ではまた何か変化があるかもしれないけれど、少なくとも今はそのときではないのだ。

「新しいことを立ち上げるために何でもやる」というのは、5年ほど前に随分と取り組んだことで、今はもうその時期ではない。そうして考えると30代前半でいろいろなことに手を出しておいて良かったなとも思ったりもするが、これが日本にいるとまた多少違ったのだろうか。私はずっと比較的ジェネラリストの方だったけれど、どこかでスペシャリストに憧れてきたし、狭い範囲のことに深く没頭するという方がもともとの気質にも合っていたのだろう。経営者でもリーダーでもなく、静かに人と向き合っていたいというのが今の想いだ。

オランダの人々を見ていて思うのはとにかく今ある暮らしを楽しんでいるということだ。もちろん中には長時間働いてという人もいるだろうけれど、そんな人はどちらかというと希で、この時期には暗くなり始める16時過ぎには家路を急ぐ人たちがぐいぐいと自転車を漕いでいる。週末には天気が良い日には外でのんびり過ごし、なんなら平日もカフェなどで割とのんびりしている。この時期は明るくなりはじめる8時頃まで周囲であまり人が動き出す気配もない。この国の人々はどうやって暮らしているのだろうと思うけれど、住宅の価格が下がらないことを考えると、生活とバカンスに必要な分くらいを稼いであとはのんびりすごしているという感じなのだろう。おそらく彼らから言うと、私でさえ働き過ぎに見えるに違いない。

そんなことを考えながら、スケジュール帳をパラパラめくると、12月末までなかなか予定が入っているということに気づく。ウェブサイトも整えたいと思っているが、それは年末の作業になりそうだ。

できれば来年の春、3月末から4月の前半にかけては日本に行きたい。今回は日本海側、萩を金沢の間を電車の旅をしてみたいと思っているが、季節を考えると南側から北上していくのがいいだろうか。

その前に、できれば12月早めにビザの更新の結果が出てほしいものだ。そういえば以前に比べると結果を待つものがあってもあまり「宙ぶらりん」な感じがしなくなってきた。宙ぶらりんに慣れてきたのだろうか。自分にはどうにもできないものに対する諦めと受け入れのような耐性ができてきたのだろうか。

明日は明日の風が吹く。今日のうちにもう少しやっておこうかと思っていたこともあるが、「やること」に取り組むのはここまでにすることにする。2020.11.30 Mon Den Haag