915. 眠ること、学ぶこと、発揮すること

シャワーを終え、湯を沸かすためにキッチンに行ったら、キッチンの脇の洗濯機と乾燥機の前に靴下をはじめとした洗濯物が散らばっていた。どうやら昨晩、乾燥を終えた洗濯物を乾燥機から取り出す際に落ちたものがあったようだ。それにしても結構な量の洗濯物がある。確かに洗濯物を畳みながら「靴下の数が合わないなあ」と思っていたが、暗かったとは言えよくあの量の洗濯物が落ちたことに気づかなかったものだ。

そんなことを考えなが着替えをしていたら下着の上にさらに下着を着ようとしていた。よっぽど意識がふわっとしているらしい。

これまでよりも30分起床時間を早めてみたが、思ったよりもスッキリと起きることができた。寝る時間も早いので十分な睡眠は取れているのだろう。

そういえば先日美容室に行った際に美容師さんに随分と髪が伸びているということで驚かれ、今回は前回よりさらに短めに切ってもらったのだが、あっという間にまた伸びてきている。睡眠時間が長いと髪が伸びるのが早いと教えてもらったが、そのせいだろうか。髪も爪も、伸びるのがおそろしく早い。タンパク質なのかカルシウムなのか、髪や爪をつくっている栄養は分からないけれど、全体として食事の量が少ない割にはとにかくやたらと伸びるのだ。

よく考えると何時間も眠り続けるというのはそれはそれでなかなかの活動だ。人によって適切な睡眠の長さは違うが、その時間の中でその人にとって必要な調整が起こっているのだろう。自分をととのえたり、成長させたりしたいと思うと、こと「何かをしよう」と思うが、まずは何よりも適度な睡眠を取ることが重要なのだと思う。

十分な睡眠は取っているが、このところ起こっている肌荒れはまだおさまらない。特に炎症が起きているように見える左頬は朝晩、ひりひりした、かゆみにも近い感覚を感じる。日常生活の中で気にする対象が少ないため、余計に気になってしまう。

日本だったら皮膚科に相談に行っていたかもしれないがオランダではそうもいかない。肌荒れというのもこれまでほとんど経験してこなかったのでこんなときに何かをすべきなのか、それともそっとしておくべきなのかさえ分からない。

そんなことを考えながらオーガニックスーパーで買い物をしていると、スキンケア用品が並ぶ棚の一角に置かれたメーカーの一つが目に止まった。調べてみるとドイツの会社が作っており、原料となっている植物はバイオダイナミクス農法で育てられているようだ。

これまでWELEDAという、アントロポゾフィー医療の考え方を元につくられたスキンケア用品のメーカーの商品を使ってきたが、そこの商品よりも少し価格帯は高めだ。(と言っても日本で買うよりもずっと手頃なのだが)創設者はルドルフ・シュタイナーの影響を受けているという。

メーカーのサイトを調べて見ると「肌の本来持つ力や働きを信じてサポートすることを大切に考えている」という文言が出てきて、とても共感した。

「本来持つ力や働きを信じる」本当にそうなのだ。それに尽きると言っても過言ではない。肌だけでなく、人間はその人が本来持つ力が存分にあって、それが発揮されることを後押しするだけで、力は自然と発揮されていく。本来持っている力が発揮されているときはその人が自分自身の命の輝きを感じて生きているときでもある。

それが、今はどうだろう。あれこれと色々なものを付け足そうとすることばかりではないだろうか。取り入れることが必要なときもある。しかし、添加物いっぱいのものを取り入れてはいないだろうか。添加物というよりむしろ「出所の分からない原料や劣化コピーをされた原料」と言う方がいいかもしれない。学ぶは、真似ぶということであり、多くの人が先人たちが深めてきたことを真似てきた。しかしそれが今、あまりにも表面的な学びに留まるということが起きてはいないだろうか。

というのは、自分自身にいつも問いかけていることでもある。学んだことを、実体験を以って探求することができているか。経験を通じた言葉に変換することができているか。

「学び終えた人」というのはいないだろう。みんな、「ともに学ぶ仲間」なのだ。自分自身とともに学び、人とともに学び、自然とともに学ぶ。そんな営みを来年にかけてさらに深めていければと思っている。2020.11.11 Wed 6:53 Den Haag