852. 寝付けない夜が明けて

空を見上げ、頭と心が静かになるのを待つ。

文節されない、体験だけがそこにある世界。

文字のない中庭とパソコンの画面というのは本当に対照的だ。

昨晩は日中の活動量が多かったことにも関わらずなかなか寝付くことができなかった。一昨日、昨日は日中気温が上がり28度になっていたことから、夜も部屋があたたまっていたということがあるだろう。ヤンさんも昨日「こんなことは異常だ」と言っていた。あっという間に過ぎ去った夏。かと思えば再びやってきた暑さ。人間だけでなく地球全体が「ニューノーマル」に向かおうとしているのだろうか。

「ニューノーマル」などという言葉で覆い隠してはいけない。これまで人間が積み重ねてきた業の結果なのだ。

寝付くことができなかったもう一つの理由は寝る直前にKindleで英語の本を読み始めたこと、しかもそれを音読していたことが大きいだろう。中学生の頃はよく英語の教科書をお風呂で音読していたが(そのため私の英語の教科書はふやけてなみなみしていた)、私にとって英語は目で見るよりも、口に出すことと耳で聞くことを通した方がずっと頭に入ってくる。日本語もそうだが、目で見るだけで読んでいこうとすると、以前行なっていた速読の癖なのか、視線があまりにも速く動き、どんどんと文章を読み飛ばしてしまうのだ。その読み方だと短い時間で概要をさらうことはできるが、自分がすでに知っていることばかりを拾い上げてしまうため新たな知識の獲得や意識の拡張に至ることはほとんどない。だから日本語の書籍を読む時はあえて遅読をするようにしている。色鉛筆で線を引くか、ノートにメモを取りながらというのが最近のスタイルだ。

英語の本を音読しながら読むこと自体は楽しいのだが、それだと随分と時間がかかってしまう。幸いにもKindleは英単語の意味や発音がその場で表示されるようになっているため分からない英単語があってもすぐに調べることができるのだが、いかんせん進みが遅い。特に昨日読み始めた本はコーチングに関する軽い本なようなので、音読はせずにある程度さくさくと読み進めて要点だけを拾っても良いのかもしれない。

英語の本は紙の本を購入しようかと思っていたが、英単語を調べて読み進めることを考えるとしばらくはKindleで読むのがいいのかもしれない。手元に置いておきたい本は改めて購入するということはできるだろう。まずは毎日一定の英語に目と耳で触れることを続けていきたい。

書籍の執筆やプログラムの準備を進めていくとなると、時間の確保が重要であり、そのためには改めて自分の中でスケジューリングの基準を作り直す必要があるだろう。

何より大切にしたいのは一つ一つのセッションの時間だ。目の前の(耳の向こうの)ただ一人と向き合う。そのためにはやはり頭と心に静けさを取り戻す時間が必要だ。

再び空を見上げると、東の空に浮かぶ雲がオレンジ色に染まっていた。西の空には飛行機雲が一つ。足元をひんやりとした空気が包み込む。2020.9.16 Wed 7:39 Den Haag