722. 荒波の中へ


気づけばすでにいくつものメッセージのやり取りをしていた。

顔を上げると、窓の外に鋭い速さで飛び交っている小さな鳥が見えた。あの翼の形は、ツバメだろうか。

深く息を吐き、吸うごとに、身体の中に静けさが戻ってくる。

新しい取り組みに携わることを決めたのは1週間ほど前だっただろうか。それから、毎日がこれまで以上に濃密に、あっという間に過ぎていく。

精神と時の部屋を出て、変化の渦の中にある世界へ。

世界中の知識と経験がオープンソース化されつつある中、私が取り組むのはそれを実際の取り組みとして具現化していくこと。日本の開国を外から後押しすること。

それは自分自身を荒波の中に放り出すことでもある。

数年前の私だったら、その中に「自分」を見出すことができずに泳ぐことをやめていただろう。しかし今は違う。自分自身の中にある揺らがない想いと静けさを知っている。同時に、多くの弱さや恐れも知っている。それらを消そうとする必要はない。自分の弱さを知っている人ほど、強いのだ。

今は世界がどちらに転ぶかの瀬戸際だと感じている。

そんな中、世界中のリーダーたちが、そしてリーダーとして今目覚めつつある人たちが、国も言葉も歴史も超えて取り組もうとしている。

一見、無秩序に見えて有機的。

世界が一つの、生命体として輝き出している。

もともと輝きに満ちていたのだが、人間が、人間同士、そして動物や自然とのつながりを忘れてしまっていたのかもしれない。

この輝きが、さらなるステージの始まりなのか、それとも、星が消滅する前に現れる強烈な光なのかはまだ分からない。

これまで人類は、高層ビル群の間を空飛ぶ自動車が行き交う未来を描いてきた。残念ながらその先にあるのはいつも、人間が情報として管理されるディストピアだった。

でも今、新しい未来を描くときがきた。

速く、たくさんのものを効率よく。

それはテクノロジーに任せることができるだろう。

人間はもっと、人間らしい、心の充足に取り組むことができるのだ。

所有でも競争でも達成でもなく、(それらの楽しみも含んだ上で)人類という垣根を超えたもっと大きな調和や創造を楽しんでいくことができるはずだ。

今、突然出現した現実と未来に驚きと喜びと畏怖を感じながら、佇んでいる。2020.6.25 Thu 8:27 Den Haag