715. コーリングとスペース

 

雨上がりの中庭に日が射してくる。葡萄の葉っぱの上に乗った水の雫が光る。

いくつかの、比較的急ぎで返信をする必要のある連絡が来ている。これまでなら日記を書き始める前にそれらに返信をするということが多かったが、今日はそうしないことを選ぶ。

これから来る、怒涛の毎日の中で自分の中に静けさを保ち続けることができるか。それが私にとってチャレンジであり、世界により良いものを届けていく還元にもつながるのだと思っている。

そのために必要なのはスペース。静かな時間、余裕のある空間、ひとりの時間。

人は、1日あたり6時間まではコミュニケーションの量(時間)と幸福度が相関関係にあるが、6時間を超えてからはどんなにコミュニケーションが増えても幸福度が上がるわけではないという研究結果があるという。それがどんな条件で行われたのか定かではない。ここで言うコミュニケーションとは、対面もしくは電話などので行う会話のことを指しているのだろうか。

自分自身の幸福度を上げるためにコミュニケーションを取っているわけではないが、確かにコミュニケーションにはそういった性質があるようには思う。

しかし、例えば、ニュースの話を伝え合うような会話では双方に「わたし」の不在が起こり、「この人と何かを交わした」という感覚は生まれないだろう。

自分自身においては、コーチングセッションという特殊な環境と関係性でのコミュニケーションを生業としており、それは人の心とのとても深い関わりであるがゆえに、1日あたりその総量を増やすことはあまりできない。できるのかもしれないが、今のところそれは心が望むことではないと感じている。

1日あたりのコミュニケーションの適量のようなものがあるとすると、私の場合は最大3時間くらいだろうか。それ以外の時間は、一人で考え事をするか、読書を始めとしたインプットをするか、何かアウトプットや表現をするか。これに軽い運動が加われば1日のバランスとしてはちょうどいいように思う。

この生活は心地良いが、自分が世界に還元したいものを届けるには何か工夫が必要だということはこのところ感じていたことだ。


そんなところにお呼びが来た。

外からの声だが、それは自分自身の内なる声の反映なのだと思う。

心地良い、精神と時の部屋からもっとリアルな世界へ。

以前の私だったら、その中で自分を見失っていたが、今はもうそうではないだろう。

自分の中のスペースを感じながら、世界とのつながり、そして影響をより大きなものとしていく。その中で、これまで届けてきたものもさらに質の良いものを届ける。

静けさの中で養ってきた感覚と感性を世界に向けていくことに、少しの戸惑いと、期待を感じている。

どんな状況の中でも、この、日記を書く時間を大切にし続けたい。2020.6.19 Fri 7:54 Den Haag