636. ひとり、世界に

 

この鳥の声は、私の内側から聞こえているのか、外側から聞こえているのか。

そんなことを思う。

それは、昨日、自分のコーチとの対話の中で、「結局のところ全ては自分の内側で起きていることだった」ということを話したからだろう。

そうなのだ。ここ数ヶ月の世界の変化を経て分かったことは、「世界」は「自分」であるということ。世界に、たったひとりで生きているのだということ。

「万有引力とは ひき合う孤独の力である」という、谷川俊太郎さんの詩の一節を思い出す。この詩のタイトルは「二十億光年の孤独」。

二十歳でこの詩を書いた谷川俊太郎さんは、一体それまでにどんな世界を見たのだろう。

世界への祈りは、自分への祈り。そうだったのだと思うと、自分が豆粒よりも小さくなり、そして宇宙のように果てしない存在に思えた。

風が中庭の大きな木の枝に茂る黄緑色の葉っぱを撫でていく。

今朝は夢の記憶が絶え間なく更新されるという不思議な感覚を体験した。

はじめに微睡みの中に降り立ったとき、直前まで見ていた夢の内容をハッキリと覚えていた。そのときはまだ、半ば夢の中だったのかもしれない。この夢を覚えておこうと思いながら目を閉じる。そして再び目を開けたとき、覚えていたはずの夢が、他の夢に変わっていた。短い時間で新しい夢を見たと考えることもできる。しかし、感覚としては、夢の内容ではなく、夢の記憶の方が更新されている感じなのだ。そんな風にして数回、夢の記憶が更新され、明確に目覚めたときには「夢の記憶が更新された」という記憶だけが残っていた。

絶え間なく変容を繰り返す世界。それはいつも、自分の内にある。

人生は宇宙の中にただ一人漂う旅路なのだと気づいたとき、その孤独に途方に暮れ、そしてそれ以上に、どこかほっとしている自分がいた。2020.4.21 Tue 8:41 Den Haag