560. チャイムの音色に包まれる美しい体験

夕食と洗い物を終えて、パソコンを持って書斎にやってきた。今日はジャガイモとブロッコリーとにんにくにご飯を加えて作ったチャーハンを、思いの外たくさん食べた。思いの外と書いてみるも、予想通りとも言える。月が満ち、それに合わせて身体もまた新しい月を迎えている。栄養を必要としている時期だ。

そんな中、今日は日本に住むコーチの仲間とオンラインで交換セッションをした。と言っても今日はコーチングの交換ではなく、私は自分が学び、実践しているボイスワーク(ボイストレーニング)を提供し、コーチ仲間からはチャイムの演奏とレクチャーをしてもらった。演奏を聴いているときもとてもよい時間だったのだが、振り返って改めて、今日この時間を持つことができて、チャイムの音に包まれることができて本当によかったと感じている。

今日演奏をしてもらったのはコシチャイムとザフィアチャイム、どちらもピレネー山脈の麓でつくられているという。ウィンドベルの中には金属の棒が円状に並んだものがあるが、その周りにさらに木の筒状のカバーがついている形状になっている。「チャイムを奏でる」とはじめに聞いたとき「チャイムを奏でるというのはどういう動作なのだろう」とイメージが湧かなかったし、そもそもチャイムが楽器だというイメージもなかったのだが、今日、マイクスタンドにいくつものチャイムが吊り下げられた様子を見てやっと「楽器なのだ」という実感が湧いてきた。

「横になってリラックスしているのがいい」という言葉に甘え、寝室の大きなソファに横になり、パソコンを近くに置いた。どうやって演奏するのかが気になるも、せっかくなので目を閉じる。すると、おもむろに、流れ星の洪水のような音が全身を包んだ。こんなにもたくさんの音がするのかと驚く。しかも、画面越しで物理的にはかなり距離が離れ、音も一旦デジタル化されたものが届けられているはずなのに、ビンビンと身体に響くものがある。身体の中に振動を感じ、身体は水でできているのだということを実感する。ゆらゆらと身体の中の海が揺れているようだ。水が身体の淵に当たる感覚を感じる。身体の輪郭を内側から感じたのはおそらく生まれて初めてだろう。もしかしたら生まれて来る前には胎内ではこんな感覚の中にいたのかもしれない。(そういえば、いつから、どこからを「生まれている」と言うのだろうか…)

身体全体が揺れる感覚の次には、身体の様々な箇所があたたまる感覚がやってきた。演奏されるチャイムの音色が変わると、あたたかさを感じる場所が変わる。背中、腰、お尻…仰向けになっているが、感覚としてはうつ伏せになって、上からヒーラーに手を当ててもらっているようだ。音色と身体がつながっている。これはチャクラと関係しているのだろうかということが頭をよぎる。

これまで聞いたこともない音の重なり。昨日見たミャンマーの動画を思い出す。ネパールではクマリと呼ばれる少女が神として崇められているそうだ。少女を乗せた神輿のようなものが町をめぐる。そんな異世界に迷い込んだような感覚に身を委ねる。自分もあの国に住んでいたことがあったのだろうか。

全身があたたかくなり、しばらくして、終わりを告げる声が聞こえた。

何てパワフルな体験だろう。

てっきり、マイクスタンドにかけられた8つのチャイム全てを同時に奏でていたのかと思ったら、二つずつ奏でていたということが分かりさらに驚く。一つのチャイムの中に、様々な音が含まれているのだ。特に、最初に鳴らしたというチャイムのうち一つのザフィアチャイムのスーフィーというチャイムの音色が気になる。それは、まさに異世界への扉を開く音だという。

またあの音を聴いてみたいと思い、ザフィアチャイムについて調べはじめ、YouTubeで出てきた演奏に今また聴き入っている。演奏と言っても、チャイムの演奏は思い通りにするということはできないだろう。かと言って適当にできるものでもない。心を鎮め、心身の軸を持っているからこそ奏でることができるのだと、演奏が終わって改めて感じた。それを30分近く一心に行ってくれたことに感謝の念が尽きない。

昨日、パートナーが島根県の大森町を訪れ、とても良いところだったと教えてくれた。大森町は石見銀山の鉱山町でもあった場所だそうだ。早速、大森町のウェブサイトを探して開くと、美しい、せせらぎが聞こえてきた。

そして、今、ザフィアチャイムを作っている工房のウェブサイトを開くと、やはりせせらぎが聞こえてくる。

美しい水のあるところで美しい音はつくられるのだろうか。

きっとそうだろう。水が人をつくり、そして、人が音を見出す。音はそこにあるもの、自然から恵まれたものだけれども、それを楽器の音色として抽出するのは人間感覚だ。体の中にどんな水が流れているかというのは、どんな音色を選ぶかに影響を与えているのだと思う。

今もまだ、チャイムの音が身体に響いている。オンラインで届けられた音でさえあんなにパワフルなのだから、直接浴びる音というのは格別だろう。クリスタルボウルとチャイム、そして声。美しい波で織られた音楽とともに、月明かりの下で踊りたい。今年はそんな夜がやってくる予感がしている。2020.2.13 Thr 19:48 Den Haag