527. はじまりの前の静けさ

昨日から心が少し軽くなっている。恐れや怒りの浄化が起こっているように思う。それは、幻想ではなく現実の中から生まれるということを実感している。新年というのは自然と人を新しいものに向かわせる力があるのだろうか。それとも自分がそういう慣習の中にいるだけだろうか。

カレンダー上の節目というのはある意味自分の意識や行動を切り替える後押しになるけれど、本当に大切なものは、しかるべきタイミングで自分の中に、嫌が応にも湧き上がってくるのだと感じる。促成栽培的なものではなく、自然のリズムの中で生まれる成熟と葛藤を感じられる、このオランダという地、静かな我が家にいつもながら感謝が尽きない。

以前、「凪」ということを書いた気がする。今は、凪に近い。海風から陸風に。陸風から海風に。風向きが変わるそのはざま。静かだけれどそこにあるのは停止ではなく平衡。見えないけれどそこにあるのはエネルギーの塊としての真空。

1週間ほど前まであれほど心に波風を立てていたことが、もうどうでもよくなっている。社会とのつながりを持っている限り、何らかの波が訪れることはあるだろう。見るべきは波ではなく、太陽。そして月の移ろい。

少しずつ深くなる静けさが、その後に始まる星たちの演奏が近づいていることを教えてくれる。2020.1.21 Tue 20:46 Den Haag