7時をすぎ、空が明るくなるとともに、カモメの声が力強くなってきた。さきほどまで動いていなかった向かいの家の屋根にの上のポールに括ってあるカモメの形をした黒い凧も空に舞い上がり始めた。日が昇ると空気の温度も上がり、気流が生まれるのだろうか。

昨日のことをもう少し振り返ってみたい。芝生の上に座り、ひとしきり様々な話がひと段落した頃に、「ゲームを持ってきた」と友人がカードゲームを取り出した。それは「SUSHI GO!」というゲームで、カードには様々な寿司の絵が描かれている。友人がルールを説明し、サンプルラウンドを行ってみる。カードゲームをしたのなんていつぶりだろう。少なくとも大人になって(大学生以降?いや、もっと以前かもしれない)、家族や親戚以外の人とカードゲームをしたことなどなかったかもしれない。シンプルなルールだが、かけひきや、得点を競う楽しさもある。「横に並んで映画を観るよりもこちらのほうが面白い」と友人も言っていたが、本当にそうだと思った。みんなでグランドルールを共有する、ルールが分からなければ聞く、そして楽しむ。人とともに何かをする上で大切な要素やコミュニケーションのきっかけがゲームには含まれているように思う。オランダの「ボードゲーム・カードゲーム文化」の一端を垣間見て、もっと体験したいと思った。

今のところオランダで「3代前からオランダに住んでいます」という生粋の?オランダ人には会ったことがなく、親の世代や自分自身が他の国からオランダにやってきたという人と知り合っている。それがきっとオランダなのだと思う。この人たちにはそれぞれ、オランダでのものとは違う原風景や原体験があり、でも、その上でオランダ人生を積み重ねることを選んでいる。そんな人たちと、今ここで感じていることについて話し合い、ときに、全く違う価値観に触れ、笑い合う、私もそんな時間をこの先の人生でもっと積み重ねていきたい。そのためにはせめて英語を、できればオランダ語も、意思疎通ができるレベルを超えて使えるようにならなければいけない。そしてそれは、日本語、そして日本という国、日本人、日本人としての自分を知ることにもなるだろう。今はこの国で、子どもを育ててみたいとも思っている。責任感の薄い動機かもしれないけれど、率直に、自分とは違う、これから世界を認識していく人の目を通して、この世界をもう一度見てみたいし、オランダという国も見てみたいからだ。年齢的には自分で産むのは厳しいかもしれないけれど、国際養子縁組が一般的なこの国では(そのためには経済的に、また人間として成熟していることが求められ、厳しい面接があると聞くが)、色々な可能性があるし、子どもがいないとしてもパートナーとの時間を、もしくは一人での時間を楽しんでいくことができるのではと思っている。それもこれも結局は自分次第なのだろう。2019.4.22 7:41 Den Haag