先ほどの日記を書き始めてからおそらく30分ほどがたち、その間、カモメの鳴き声が大きくなり、そしておさまった。と思ったら今度は犬が吠えている声が聞こえている。そういえばここで犬の鳴き声を聞くのは珍しい。

今日は太陽の光が眩しく、周辺の空さえ直視できないけれど、おそらく空には雲が出ていない。布団から出る時に、海に行くか、それとも楽器店に行くかという考えが頭をよぎった。そして街の中心部にある楽器店の近くにはビオのスーパーがあることを思い出した。今日は久しぶりに野菜を買って、ゆっくりと鍋で煮てスープを作りたい。オランダの、緑の豆の入ったスープはヘルシーな割に食べ応えがある。どこのカフェでも野菜がたっぷり溶け込んだドロドロとしたスープが出てくるが、最近は日中は朝食と昼食を兼ねてバナナかチーズもしくは蜂蜜をのせたパンを食べるだけにしていて、週末とは言えスープを昼間から食べるのはちょっと重たそうなので、オランダのスープを家で作ってみたい。

街の中心部と海は方向が違うのでどちらに行くか悩ましい。自転車を使えばどちらも大した距離ではないし、自転車に乗ること自体は気持ちがいいけれど、オランダの自転車社会には未だ慣れず、特に大きな道路を左折するとき、一度通りを渡り、左折する前にどこで待っていいのか分からず居心地が悪い思いをするのが苦手だ。オランダの人は基本的に明るくて親切だけれども、自転車で自分の行く先を遮るものに対してはあたりが強い。適度な運動のためにも、歩ける範囲は歩き、疲れたらトラムに乗るというのがちょうどいい気がしている。

今の家は小さな書斎もありとても気に入っているけれど、一人には若干持て余してしまう広さがあり、その分家賃も割高なので、1年間の契約が終わる9月にはできればもう少しだけ海に近くて、もう少し静かで小さな場所に越したいとも思うものの、1ヶ月に渡る家探しの末に奇跡的にこの家を見つけられたことを思うと、家の検討にかける時間とエネルギーがもったいないような気もする。なんだかんだこの家は好きなので、もう少しここで自分自身を深めるとともに、外との交流が増えれば暮らしの満足度自体が上がるだろう。そういえば少し前に上の階に住むアナさんが子猫を飼うことにしたけれどアレルギーはないかと聞いてきた。子猫が来ることを楽しみしていたけれど、もしかしたらそれは延期もしくは変更したのかもしれない。できればそのうち猫を飼いたいと最近思うようになった。長期で家をあけることを考えると当分は叶わない気がするけれど、あの好奇心の塊のような心、しなやかな身体を持つ生き物と暮らしをともにしてみることを密かに夢見ている。

随分と力強い声で鳴いている鳥がいる。澄んだ高い声で鳴いていた鳥が、春の日差しの中で鳴くことになれてきたのだろうか。まずは昨日できなかった洗濯物の片付けや家の掃除をして今日はどこかに出かけようと思う。2019.04.13 10:05 Den Haag