オレンジ色の朝日がレンガ造りの家の向こう昇ってきている。遠くで犬が吠え、カモメが鳴く。ガーデンハウスの屋根や庭に散らばる白い花びらが季節が巡っていることを教えてくれるけれど、何事もなかったように1日は始まっていく。

昨日までの日本での時間はもうずっと過去のことのようだ。記憶としては留められているけれど、実感を持った感覚としては薄れつつある。あの街で感じたきゅっと身体が縮こまり防衛的になる感じはもう身体の中にない。微かな音、僅かな光を感じる感覚を取り戻したことに安堵しながらも、あまりにもあっという間に自分を締め付ける感覚がどこかに行ってしまったことに一抹の不安も感じる。これは自分自身の自浄作用のようなものが高まっているということなのだろうか、それともあまりに苦しい感覚を意図的にどこかへ追いやったということなのだろうか。前者は後者であるとも言えるのかもしれない。いずれにせよ、東京で感じた外的な刺激に鈍感になる調整作用が働いているのではなく、外に対して開いている状態を感じる。

パソコンがゆっくりと、打ち込んだ文字を目に見えるものにしていく。今日の夢はなぜだか比較的ハッキリ覚えている。しかしこのペースでは書き終わるまでに日が暮れてしまいそうだ。少し時間を置いて、また書こうと思う。2019.04.09 8:17 Den Haag